プルタルコス(プルターク)
七賢人の一人ビアスが、ある酒宴の席で口をきかずにいたら、一人のおしゃべり屋がそれを冷かして、お前さんは馬鹿なのかと言った。するとビアスが答えて曰く、「馬鹿が酒飲んで黙っていられるか。」
馬鹿が冷やかされて黙っていられるか。
おしゃべり屋の正直者と交際するより、賢い悪人とつきあう方が心持ちがよい。
賢い悪人は、おしゃべり屋の正直者の利用価値を知っている。
「七賢人の一人ビアス…」「おしゃべり屋の正直者…」/出典:ギリシアの偉人とローマの偉人を対比させて描いた伝記「英雄伝」で有名な、ローマ帝政期のギリシア人思想家・伝記作家プルタルコス(46年頃~120年頃。英名プルターク)の膨大なエッセー「倫理論集」から6篇を選んで収録した『饒舌について 他五篇』(柳沼重剛訳/岩波文庫)より。「英雄伝」は、歴史的事実を記すことよりも、多くの逸話を盛り込み、読者に生き方の指針を示すことに主眼が置かれていたため歴史書としての評価は低いものの、17~18世紀には、ルソーやモンテスキューが愛読していたという。『饒舌について 他五篇』の解説で訳者の柳原氏は、岩波書店から昭和39年に出された河野與一氏の『プルターク「倫理論集」の話』の序文を引用して、こう書いている。「河野與一氏は(中略)こんなことを言う。『プルタルコスは哲学史にも文学史にも三流に伍する文人である。』三流はひどい。私はせいぜい二流だと思っている」。それでいて、「魅力が消されることがないまま今日に至っている」とも書いている。
初出:2008年3月2日
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