2013年10月30日水曜日

ダジャレにひと言35 のぞみ、かなえ、たまえ

お題:ダジャレにひと言足して、なんか悲しいダジャレを作ってください。悲しくなくてもいいですし。
のぞみ、かなえ、板前
欽ちゃんたらもう、私が寿司屋になったからって、変なモノ握らせないでくださいよ~
そもそも古い!
初出:2012年7月19日

2013年10月28日月曜日

馬鹿をめぐる名言36

バーナード・ショー 3
結局、馬鹿なやつが勝つんだよ!
 馬鹿なヤツが勝つんじゃない。勝ったヤツが馬鹿なんだ!
出典:もひとつバーナード・ショーで、喜劇『傷心の家(Heartbreak House)』(飯島小平訳/新書館)より、88歳の老船長のセリフ。この本のカバー袖には「ロンドン郊外の中産有閑家庭に舞台をおいて、まるでゲームかなにかのように恋愛遊戯にあけくれる人々の姿を、ショー一流の鋭い機知と諧謔によって描いている。その仮借のない痛烈な笑いはナンセンスにまで昇華されている」との紹介文があるが、鋭い機知も諧謔もナンセンスも、仮借も昇華も、恋愛もゲームもオレの得意分野ではない。だから、本編を読み終え、解説文を読んでいるときに「あっ! これ喜劇だったんだ」とやっと気づいたりもするのである。
初出:2008年5月28日

2013年10月26日土曜日

標語流行語キャッチフレーズ発掘 その15

「学校給食週間」の標語(昭和27年/日本学校給食会)
伸びるぞ ふとるぞ 給食で
寸評◎給食に頼るな。
参考資料:『標語・スローガンの事典』(祖田浩一編/東京堂出版/1999年)
初出:2010年9月9日

2013年10月24日木曜日

老いと若さをめぐる名言 2

ソフォクレス
老人の気性はおだやかになる、いだ刃物が手に持っているうちにじきに鋭さを失うように。
 キレやすかった老人が急激におだやかになったとしたら、塩抜きの飯を食わされている可能性がある。
老年にはありとあらゆる災厄わざわいが生じるものだ、思慮分別は消え去り、為すことは役に立たず、些細なことにのみこだわる。
 思慮分別があって、何をやらしてもうまくでき、しかも寛大。年寄りに限らず、そんなヤツそうそういねーから気にするな。
出典:古代ギリシアの三大悲劇詩人のひとりソフォクレス(紀元前496年頃~紀元前406年)の「ソポクレース断片」(『ギリシア悲劇全集 11』木曾明子・久保田忠利・下田立行・西村賀子・根本英世訳/岩波書店)より。
初出:2008年7月4日

2013年10月22日火曜日

東京ドメスティック日常編 8

一難去ってまた一難

2010年4月7日
 右ヒザがずっと痛い。
 ひどいときはアパートの急な階段をいたタタタ……(休み)……いたタタタ……(休み)……いたタタタと休み休みゆっくり下りなきゃならない。
 図書館で本棚の下段の本を見るときも、いったんしゃがんでしまうと立ち上がるのが大変なので、腰だけを深く曲げて覗き込まなきゃならない。
 一番面倒なのが大のあと。アパートに標準装備されているのは和式便所で、蹲踞の姿勢から立ち上がるのが辛すぎる。そこで、両手をヒザに当ててゆっくり腰を上げていく。途中で右ヒザをかばって左足荷重になってしまうがそれでも右ヒザはやっぱり痛い。
 考えてみると、ヒザが痛いのにそのヒザに手を当てて力を加えるのは理にかなってない。
 部屋の中なら、床に手をついて立ち上がる。でも、和式便所の床に手をつくのは気が進まない。
 床に準じる強度と安定感があって汚くない場所といったら……。
 !
 というわけで、右手を右足首、左手を左足首につき、それを支えに腰を上げてみた。
 お? イケる。そんなに痛くない。わーい。ちょっとへんてこりんな格好だけど、ケツを拭く姿よりはマシだ。
 これで便所での立ち上がりはラクになったし、4月に入ってからどんどんあったかくなって、階段の昇り降り時の痛みからも解放されつつある。
 一番の困りごとが解決に向かうと、次の困りごとが浮上する。やたらガスがたまって困るんだよね。
 ご飯を食べながら空気を飲み込み、コーヒーを飲みながら空気を飲み込み、ツバを飲み込むときにも空気を飲み込む。誰だって空気を飲み込むにしても、オレの場合、スムーズにゲップとして口から出せないのか、ガスがどんどんたまっていく。
 屁って、適量だと気持ちいい。けど、あまりにも量が多すぎるもんな。あーあ、ユーウツ。


2010年4月26日
 相変わらずガスがたまり放題だ。
 大腸内のガスの量が一定を超えると、ガスの塊が動くたびにゴキゴキと音が鳴る。
 このゴキゴキは、通常なら午後4時頃開始なのだが、今日は外出中だというのに昼過ぎからゴキゴキし始め、腹が張ってしようがなくなった。
 東京の私鉄の各駅停車しか止まらない駅の街の昼下がりは人影まばらで、屁をするのにそれほど困難はない。
 オレは歩きながら半径10メートル以内に人がいないことを確認してからフンッ! と力を込めた。だが、すんなりとは出てくれない。
 しばらくして、半径20メートル以内にひと気のないことを確認し、さっきより強い力を込めて再チャレンジしたが、これも空振り。
 出口近くのセンサーは、危険がない(汁けがない)ことを告げている。パワー全開で気張っても悲しいことにはならないはず。でもやめた。どんだけの音量を伴う屁なのか、見当もつかなかったからだ。
 ということで腹をゴキゴキ鳴らしながら方南町のブックオフで100円本のコーナーを物色した後、大原交差点経由で笹塚の古本屋までゴキゴキ寄り道してから代田橋に帰った。
 アパートに戻ったオレは誰に気兼ねすることなく、ゆっくりと確実に腹に力を込めていった。


 ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううううう、




 ブンっ!


 出た。
 音量は申し分なし。汁け気もなし。
 音質は、乾いていて、それでいてふくらみがあり、耳に心地いい。楽器でたとえるなら、リード付きの木管楽器ではなく、金管楽器の音(ここのところ痔の調子がよくて、「もはや痔ではない」と言いたいくらいなんだよね)。豊かな音のふくらみや、無段階に音程を変化させられるところなんかを考慮するなら、金管楽器のなかでも「神の楽器」と呼ばれるトロンボーンの音と言っていいだろう。
 しかし、なんとかなんねーかな、屁。

初出:2010年4月7日/2010年4月27日

2013年10月21日月曜日

馬鹿をめぐる名言35

バーナード・ショー 2
バカな真似をせずして、なんの人生ぞ? むつかしいのは、はめをはずす対象を見つけることだ。機会をのがすな。
 20代後半ごろに勤めた会社で、「吉田君、馬鹿になろうよ!」と社長に言われた。はめをはずす対象も指定された。平たく言うと、"ごちゃごちゃ考えてないで契約をとってこい"ということだった。
出典:続いてもバーナード・ショーの『ベスト・オブ・ショー 人と超人 ピグマリオン』(倉橋健・喜志哲雄訳/白水社)から今度は、映画「マイ・フェア・レディ」の原作としても知られる「ピグマリオン」の中のヒギンズのセリフ。“ピグマリオン”ってのは、自分で彫刻した像に恋をしたキプロス島の王の名前で、あまりにぞっこんなものだからアフロディーテがこの像に命を与えてピグマリオンの妻にさせたんだとか。
初出:2008年5月27日

2013年10月18日金曜日

ひとり大喜利「ひとり喜利」/キャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!

「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
尺八の王オイラン
下ネタなので、意味がわからなくてもお父さんやお母さんに聞くのはやめてください。
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
大阪の下町のナポレオン、たかじん
こ、怖い人?
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
悪い奴らの共通の友達、ドラゴンアッシュ
友達どまりにしときな。
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
上野動物園で最も熱烈な求愛行動で知られる飼育員
人? 動物じゃなく人?
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
笑顔の素敵な吉田容疑者(55歳)
オレはやってねーって!
█ お題 「百獣の王ライオン」みたいなキャッチフレーズを、いろんなものに付けてみよう!
回答
駅員に詰め寄る年配男性
年配男性は、よく詰め寄ります。じゃ、また次回。
初出:2011年3月31日

2013年10月16日水曜日

ダジャレにひと言34 肩の荷をおろす

お題:ダジャレにひと言足して、なんか悲しいダジャレを作ってください。悲しくなくてもいいですし。
肩のオニをおろす
そんなことされてオニは黙っちゃいない
「お前、何を勝手におろしてるんだ」と。
初出:2012年7月1日

2013年10月14日月曜日

馬鹿をめぐる名言34

バーナード・ショー 1
愚鈍は苦役と貧困によって現実の味を知り、ために卑劣さや残酷さと化する。かと思えば、想像力は、こういう現実に直面するよりも餓死するほうがましだと思う、そして幻を積み重ねて現実をおおい隠し、そうするおのれを才気だの天才だのと呼ぶ!
 もしも現実を覆い隠せるくらいの想像力があったなら。
出典:人物の紹介文に必ずと言っていいほど「皮肉屋」という枕言葉が付き、名言集の常連なのに実際に作品を読むのは演劇関係者だけじゃねーの? って思いたくなるほど図書館の蔵書も貧弱なイギリスの劇作家バーナード・ショー(1856~1950年)の戯曲「人と超人」(『ベスト・オブ・ショー 人と超人 ピグマリオン』喜志哲雄他訳/白水社))より、夢の中の地獄で悪魔&他2名と議論するドン・ファンのセリフ。さて、「超人」ということで、ニーチェに触れている悪魔のセリフを引用。「なにしろ、生命の力を頭から信じ込んだ奴でね。この男ですよ、超人だなんて、プロメテウス以来のお古い代物を掘り出して来たのは」「ワーグナーが一度ついふらふらと生命の力を信じこみましてね、ジークフリートという超人を作り出したんですよ。だがあとで正気に戻りました。だもんで二人が顔を合わせると、ニーチェはワーグナーを裏切り者と決めつける、ワーグナーはニーチェがユダヤ人だってことを証明するパンフレットを書く、とどのつまりは、むっとしたニーチェが天国へ行く、とこうなんですよ。いや、いなくなって助かったのはこっちも同様」。ワーグナーとニーチェの闘いがエスカレートするかと思ったら、ニーチェはむっとしただけ……ウケる。
初出:2008年5月26日

2013年10月12日土曜日

標語流行語キャッチフレーズ発掘その14

「口腔衛生」の標語(小学生の部/昭和26年/厚生省)
歯はいいな なんでもかめる歯は いいな
寸評◎スジだとか 皮とか挟まる 歯で暮らす
参考資料:『標語・スローガンの事典』(祖田浩一編/東京堂出版/1999年)
初出:2010年8月12日

2013年10月10日木曜日

老いと若さをめぐる名言 1

アイスキュロス
老年は青春よりも正しい。
 青春と比較したら、たいていのものは正しい。
出典:古代ギリシアの三大悲劇詩人のひとりアイスキュロス(紀元前525~紀元前456年)の「アイスキュロス断片」(『ギリシア悲劇全集 10』逸身喜一郎・川崎義和・高橋克美訳/岩波書店)より。
初出:2008年6月27日

2013年10月8日火曜日

東京ドメスティック日常編 7

落書きで書いていい3文字と書いちゃいけない3文字――後編

 眉毛と首の落書きで盛り上がった呑み会の1週間後、4人はもちろん中村のアパートに集合した。
「おめぇたち、ほんとめてけろ!」が八戸の第一声だった。「腹にまで書くことねがべ! 銭湯に行って、シャツ脱いだらよー、“へっちょ※”って!」
「うふふふははは」
 怒る八戸と、思い出し笑いの3人。そういえば、「このげ」と「くぴた」だけでなく、八戸のシャツをめくって腹にも落書きをしたんだった。

※「へそ」を意味する「へっちょ」は盛岡弁ではない(はずだ)が、「アップダウンクイズ」というクイズ番組がきっかけで、ちょっとした「へっちょブーム」になっていた。

「笑ってる場合じゃねーぞ」
「うふふふんははは」
「あー! って思って腹隠してよ、ゴスガスこすっても、なかなか落ちなくてよ!」
「うひひひひ」
 正当な怒りではあったが、これ以後も八戸は毎度毎度、酒を呑んでは無防備な姿を見せるものだから、落書きは止められなかった。
 朝起きると八戸はルーティーンワークをこなすように顔の落書きを消し、シャツを脱いで腹や胸の落書きを消した。

 初めての落書きから数か月が経過して八戸も落書きされることにすっかり慣れ、「油性はダメだ、水性にしろよ」とたまにボヤく程度になったころ。
「おめえたち、ほんといい加減にしろよ、顔から火ぃ出たぞ!」
 会うなり八戸が怒りだした。
 3人は何のことかわからない。
「何怒ってんだ?」
「背中!」
「は?」
「せ・な・が!」
「だから背中が何よ」」
「おめえら、背中にマ○コって書いたべ!」
「ん?」
「銭湯さ入って、なんかみんなオレのこと変な顔して見てるなあって思って……」
「あー! アハハハハ」
「アハハじゃねえぞ! なんぼなんでも背中にまで書くことねがべ!」
 かなり怒っていた八戸だったが、呑み始めて1時間もするとやはりいつものように寝てしまった。

 翌朝。
 いつもは顔の落書きからチェックする八戸は、この日はまずシャツを脱いで手鏡を後ろに回し、背中の落書きから探し始めた。肩のあたりから始まって腰のあたりまで、時間をかけてしっかりチャックしている。
「背中には書いてねえって」
 ちょっと鼻で笑いながら中村が言った。
「信用しろってか?」
 そう言って八戸は、脇の下、腕の後ろ側も鏡に映してしっかり見る。
 背中側のチェックを終えた八戸は、今度は鏡を体の前で構えた。
 中村が不思議なものを見るような顔をした。
 八戸はというと、やりにくそうに鏡の角度を調節しながら胸と腹を映して落書きのチェックをしている。
「おう、八戸、背中を鏡で見るのはわかるけど、なんで腹を鏡さ映して見てるんだ?」
「ん? ……ああああ! 前は、鏡はいらねえか。どおりで見にくいと思った」
 3人、大爆笑。
 落書き熱はこの頃をピークにみるみるさめていった。
 ブームが去ったあとは、たまに、ワンポイント的に小さな落書きを書く程度だった。
 八戸は、習慣として朝の落書きチェックを続けていた。

 夏休みに入ってすぐの週末。いつもより入念な落書きチェックを終えた八戸は、自分のアパートには戻らずに、そのまま帰省した。
 そして夏休みが終わり、久しぶりに中村のアパートに集合した。
 八戸はバイトの都合でちょっと遅れるらしい。オレと吉田、中村の3人で呑み始めた。
中村「あいつ、なんか怒ってたっけぞ」
オレ「なんで?」
中村「落書きがオヤジに見られて、なんだらかんだらって言ってたっけ」
吉田「落書き?」
中村「なんだか、よくわからねえけど」

 30分後。八戸が合流した。
八戸「おめえたち、ほんとシャレになんねーぞ!」
中村「何がよ?」
八戸「何がよ、っじゃねーって。落書きしたべ!」
吉田「いっつもだべ」
八戸「オヤジによ、『お前そんなところに何書いてるんだ!』って言われて、何のことだかわからなくて……」
3人「んで?」
八戸「マ○コって書いたべ! オヤジにそれ見られたんだぞ」
中村「あの堅いオヤジ? 組合の委員長の?」
八戸「委員長じゃねえ、副委員長だ!」
オレ「んふ」
吉田「おめえ、田舎さ帰る前に、落書きされてねえか、ちゃんと見てたっけよな」
八戸「んだけどよ!」
中村「書いたっけかな」
八戸「書かれてた!」
中村「んだば、なんでおめえは気がつかねかったんだ? オヤジにはすぐわかったのに」
オレ「んだよな」
 八戸は、ムッとした顔で一瞬黙ってから口を開いた。
八戸「足の裏!」
3人「ん?」
八戸「足の裏さマ○コ!」
3人「ああ!」
 思い出した3人、大爆笑。
 足の裏って、書いたほうも忘れるくらいの意外な盲点。
 呑んだ次の日にそのまま帰省したのが敗因だ。銭湯に行っていれば落書きを見つけられたのに。あ~あ、おかし。

初出:2010年4月20日

2013年10月7日月曜日

馬鹿をめぐる名言33

アルチュール・ランボー
恥知らずになれ。馬鹿になるんだ。野獣であれ!
野獣は
  ムリだよ。
    オレって、
      おとなしいもの。
出典:『イリュミナシオン ランボオ詩集』(金子光晴訳/角川文庫)に収められた「第一詩集」から「巴里蕃息(パリばんそく)」の中の一節。てっきり、ランボーって20歳くらいで死んだんだと思っていたが、1854年10月にフランスで生まれ、死んだのが1891年11月というから……37歳! 思ったより生きている。詩を書いていたのは15歳くらいから20歳までなので、早死にしたようなイメージが……。っつうか、ラディゲとごっちゃになってたのか……。まあ、いずれにしても、20歳くらいで詩をやめたあとは世界を放浪し、30歳前後には一時的に商売で成功して、けっこうな金を手にしたこともあったらしい。ちなみにアントニオ猪木も『猪木詩集 馬鹿になれ』(角川書店)を出している。
初出:2008年5月21日

2013年10月4日金曜日

ひとり大喜利「ひとり喜利」/可愛くもなく性格もよくない彼女のどこが好き?

可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
█ お題 可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
回答
斬新なフォルム。
それ悪口。
█ お題 可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
回答
やることなすこといちいち。
それは、「どんなところに腹が立ちますか?」に対する答えだぞ。
█ お題 可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
回答
今日は、まだない。
昨日もなかったくせに。
█ お題 可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
回答
人前でもじもじするところと、おへその下でもじゃもじゃしてるところ。
結局、好きなのはそこだけか。
█ お題 可愛くもなく性格もよくない彼女に、「ねえ、私のどこが好き?」って聞かれました。どこが好き?
回答
良く言えば大久保佳代子、悪く言えば干しシイタケ。
干さなくていいだろ。ま、干してもいいけど。じゃ、また次回。
初出:2011年5月21日

2013年10月2日水曜日

ダジャレにひと言33 苦虫(にがむし)を噛み潰したよう

お題:ダジャレにひと言足して、なんか悲しいダジャレを作ってください。悲しくなくてもいいですし。
また、兄が虫を噛み潰したようだ
おっ! これ食えるかもしれない。お前も食ってみろ
かもしれないものは食いたくない。
初出:2012年7月15日

2013年10月1日火曜日

東京ドメスティック日常編 6

落書きで書いていい3文字と書いちゃいけない3文字――前編

 オレ吉田BK(以下:オレ)ともうひとりの吉田(以下:吉田)、中村、八戸(仮名)という盛岡出身の4人組は20代のころ、週末になると集まって呑んでいた。
 たまに居酒屋に出かけることもあったが、10回に9回は狛江在住の中村のアパートで呑み、みんな泊まった。

八戸「えーと、あのよー」
みんな「何?」
八戸「……」
みんな「だから何?」
八戸「……」
中村「なんだおめえ、黙るな!」
八戸「ああ、わるいわるい、あの、きのうの前の日に……」
みんな「はあ? きのうの前の日?」
吉田「きのうの前の日って、“おととい”だべ?」
八戸「ああ! んだ!」
みんな「うふふふんははは」
八戸「“おととい”って単語が出て来なくて、“一昨日(いっさくじつ)”って言葉が浮かんだんだども、それじゃあんまり堅苦しいかなと思ってさ」

 八戸は、狙って笑いをとることもできる一方で、笑われる能力にも非凡なものがあった。

 酒を呑み始めて1時間ほどすると八戸はいつも決まって睡魔に襲われる。
 まぶたが閉じそうになり、いけねって感じで目ん玉をグリンっと1回転させてから復活するので、その場にいる者には八戸が一瞬眠ったことがわかる。
 この"目ん玉グリン~復活"を4、5回繰り返したあたりで八戸は睡魔への抵抗をやめる。
 そして座ったまま、目をつぶり、口呼吸を始める。
 そうすると中村が、八戸の体を揺すりながらでかい声を出す。
「寝るな!」
 八戸はすぐに正気に戻る。
八戸「いやいやいや、寝てねーぞ」
中村「おめえ、今、目つぶってたべ」
八戸「ちょーっと考え事してただけだじぇ」

 こんなことを何回か繰り返してそのうち飽き、しばらく八戸を放っとく。と、八戸はやすらかな眠りに包まれ、オレらに無防備な姿をさらす。
 何の警戒心も抱かずに無防備な姿をさらすことのできる時代は、いつか終わる。
 あるとき、中村が、細いマジックペンを手にした。ちょっとすました顔をしてキャップを取ると、マジックペンのペン先を八戸の眉毛の端に置く。それから2センチくらいの長さの線を引き、キャプションを記した。

 このげ

 オレと吉田は爆笑した。
「こ、こ、このげ」って!
「このげ」は盛岡弁であり、「眉毛」のこと。
 昭和33年生まれで盛岡出身のオレらは東京に出てくるまで、「このげ」という方言を口にしたことがなかった。親の世代もあまり使ってなかったし。
 そんな、知識としては知っていても使ったことのない盛岡弁をわざと使うのが、オレらのちょっとしたブームになっていて、「このげ」がオレと吉田の笑いのポイントを突いたのだった。
 この日の中村は冴えていた。志村けんのアイ~~ンの口をしながら今度は八戸の首にペン先を当ててそこからまた引き出し線を引いた。
 盛岡弁でも首は首じゃなかったっけ?
 中村は次の一手をどう打つのか。
 オレと吉田は笑う準備をしてペン先を見つめた。
 中村は、もったいぶって「ん゛」「あ゛」っ、とちょっと咳払いをしてからペンを動かした。
 なんて書くんだ?
 首の盛岡弁って?

 くぴた

「く、く、く、くぴた~~、ああ、おかしぃ」
 くぴたをアルファベットで書くと“KUPITA”。オレも吉田も、書いた中村も笑いころげた。


 翌朝。目を覚まし、いつものように腹減ったな、出前にするか? 外に食いに行くか? と2時間くらい布団の上でグダグダ。結局、ラーメンを食いに出かけようと話になり、みんな立ち上がった。
「ションベンするからちょっと待っててけろ」
 そう言って八戸が洗面所(洗面台と便器のみで風呂は無し)に入った。
 すぐに、
「あ~! なんだこれ~!」
 動揺丸出しの声が聞こえた。
「おめえたち、何を説明してんだ!」
 八戸以外の3人はお互いの顔を見て無言で笑った。
「このげ、ってわざわざ説明すんな」
「(んふふふふふふふふ)」
「あ! 首にもだじぇ! く……くぴた? って、なんだそれ!」
 そう叫んだのち八戸は小便を済ましてからいったん洗面所のドアを開けて「おめえたちふざげるなよ、ちょっと待ってろ」と言ってドアを閉めた。
 そして5分後、八戸はまだマジックの薄黒い跡と赤いこすり跡が盛大に残った顔と首筋で、オレたち3人を笑わせてくれたのであった。

この項つづく

初出:2010年3月21日