ラ・フォンテーヌ
無知な友ほど危険なものはない。賢明な敵のほうがずっとまし。
無知な友を呼び寄せたのは自分じゃねーか。
ばかげたことも度を過ぎたばあいには、そのまちがいを道理でたたこうとするのは、おとなげないやりかた。興奮しないで、もっとばかげたことを言うほうが手っ取りばやい。
「年、いくつ?」
「いくつに見える?」
「正直に言っても怒らない?」
「怒るわけないじゃん、お客さんに」
「本当?」
「ホント」
「なら、言う」
「言って」
「18歳くらい」
「ヤダー! 言いすぎ! 正直に言ってもいいのに」
「正直に言ってるよ」
「ホントに?」
「ウン、本当に正直」
「だったら、もう、キャン、キャン」
「なんでわかったの?」
「え? なにが?」
「犬でいうと、18歳くらいって意味……」
「ホホホ……」
「……」
「お前を殺す! しかも、かみ殺す!」
「いくつに見える?」
「正直に言っても怒らない?」
「怒るわけないじゃん、お客さんに」
「本当?」
「ホント」
「なら、言う」
「言って」
「18歳くらい」
「ヤダー! 言いすぎ! 正直に言ってもいいのに」
「正直に言ってるよ」
「ホントに?」
「ウン、本当に正直」
「だったら、もう、キャン、キャン」
「なんでわかったの?」
「え? なにが?」
「犬でいうと、18歳くらいって意味……」
「ホホホ……」
「……」
「お前を殺す! しかも、かみ殺す!」
「無知な友ほど…」(クマと園芸の好きな人)「ばかげたことも度を過ぎた…」(誠意のない預かり人)/出典:フランスの寓話詩人ラ・フォンテーヌ(1621~1695年)の『寓話』(今野一雄訳/岩波文庫)に収められた「おどけ者と魚」「クマと園芸の好きな人」「誠意のない預かり人」より。金に困らないブルジョワの家庭に生まれ、修道士になったり弁護士の資格を得たりしたが、まともに働かず、夢想にばかりふけっていたらしい。そのおかげでこの寓話集が生まれた。イソップをはじめとする過去の寓話を下敷きにした話もあればフォンテーヌの創作もあり、いずれにしても教訓教訓のオンパレード。上下巻を熟読すると分別くさくなって3つくらい老けた気持ちになってしまうので注意が必要だ。
初出:2008年3月6日
0 件のコメント:
コメントを投稿