バートランド・ラッセル 2
本当の天才は常に謙虚である、という馬鹿げたことを述べた人間がいたが、これは事実とは正反対である。能力ある若者でも彼がもしも謙虚な性格ならば、親や友人に嘲笑されてその天才は抑えられる。
本当の泉ピン子は常に謙虚である。
どんな時代でも変らぬものは、老人たちは退屈で馬鹿げているという信念である。それは進歩の原因であるゆえに、最も健全な信念にちがいない。希望が存在する余地のない唯一の時代、それは若者が老人を尊敬する時代にほかならない。
尊敬しなくても、目指さなくても、努力しなくても、たいていは老人になれるから安心してください。
出典:引き続いても長文シリーズで、アメリカの新聞に連載されたラッセルのエッセイをまとめた『人生についての断章』(中野好之・太田喜一郎訳/みすず書房/初版1979年、新装版2005年)より。「馬鹿」を探す目的とはいえ、人生に関する本を何冊も読んでいるうちに、筆者ももっとちゃんとしなきゃいけないな、とだんだん思いはじめたり、はじめなかったり。過ちを認めて改めるのに年齢は関係なくて、60歳になってからでも70歳になってからでも改めればいいっていうから、まだ今は改めなくて大丈夫さ。
初出:2008年6月20日
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