2013年6月17日月曜日

馬鹿をめぐる名言 17

リヒテンベルク
人間が歩くのを見たら、蟹はきっと、ずいぶん馬鹿げた歩きぶりだと思うだろう。
 カニは、横に歩く生き物の中では最もおいしい。
利口すぎるのは卑しいたぐいの馬鹿である。
 お利口さんすぎるって。好きでそうなったわけではないのに。
独創的な頭脳は、その中身がひろく知られるまでは単なる馬鹿である。
 独創的な馬鹿には笑顔が似合ってほしい。
出典:18世紀ドイツの物理学者G・C・リヒテンベルク(1742~1799年)の警句をまとめた『リヒテンベルク先生の控え帖』(池内紀編訳/平凡社ライブラリー)より。図書館でちょこっと調べたところ、彼の名は物理学辞典に「リヒテンベルク図形」の解説が200字ほどあるくらいで、物理学者としてはあまり有名ではない。むしろ、「人間の魂の一面を鋭く照射し、しかも諧謔とイロニーとにみちたアフォリズムによって知られる」「モーリッツやジャン・パウルとともに、リヒテンベルクはロマン派の夜と夢の世界の先駆的な開拓者として重要な位置を占めている」と『ドイツ文学史』(藤本淳雄・岩村行雄・神品芳夫・高辻知義・石井不二雄・吉島茂著/東京大学出版会)に書かれているように、文学史に残した足跡のほうがはるかに大きい。
初出:2008年3月17日

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